■ボランチは4枚必要

 クラブもその問題点を認識しており、町田ゼルビアへレンタルで貸し出していた柴戸海を復帰させ、サンフレッチェ広島で大きく成長した松本泰志も獲得するという大きなアクションを起こしたのだ。
 やはりボランチは4枚はいなければ、複数トーナメントを乗り切れない。そういう意味で彼らの補強は大きなプラス。デュエル系の柴戸、トップ下もこなせる攻撃的な松本が加わることで戦力のバリエーションも広がるし、組み合わせも多彩になるに違いない。
 中盤でボールを奪う回数が増えれば、最終ラインの負担も減るし、最後尾の西川周作もより思い切ったプレーができる。西川は同期の興梠慎三、1つ下の宇賀神友弥が引退したことで「自分がベテランとしてどっしり構えてチームを支えなければいけない」という思いを強めているはず。その彼のリーダーシップに依存しすぎることなく、他の面々が統率力を前面に押し出す集団になってくれれば、浦和の苦境脱出は叶うだろう。
 25年の戦力補強はまだ続く見通しだが、浦和が強くなければ日本サッカー界が盛り上がらないのは事実。Jリーグナンバーワンのビッグクラブの動向が大いに気になる。
(取材・文/元川悦子)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4