ランコ・ポポヴィッチ監督体制でスタートし、折り返し地点では2位につけていた2024年の鹿島アントラーズ。
ところが、夏場以降足踏み状態が続き、10月には指揮官更迭という大ナタが振るわれた。中後雅喜コーチが監督に昇格し、パリ五輪が終わったU-23日本代表の羽田憲司コーチもスタッフに入る形で後を引き継いだ後は無敗で乗り切ったが、結果的には5位。YBCルヴァンカップ・天皇杯も逃し、彼らは8年間国内タイトル無冠という苦境に陥ってしまった。
そこで、10月から強化トップに就いた中田浩二フットボールダイレクター(FD)はいち早く2025年の編成に着手。まず鹿島OBで川崎フロンターレで7冠を獲得した名将・鬼木達監督を招聘した。さらに同指揮官とS級ライセンス同期取得の田中誠、鹿島の選手時代に共闘した柳沢敦・曽ヶ端準らコーチ陣を配し、今季の流れを知る中後コーチも追加。常勝軍団復活への充実した指導体制を整えたのだ。
それに伴い、選手の入れ替えも積極的に進めている。まずアウトの方は今季の主力だった名古新太郎(福岡)、仲間隼斗(柏)がそれぞれ移籍。途中から出ることの多かった藤井智也(湘南)、ギリェルメ・パレジ(CAタジェレス)、須貝英大(京都)もチームを離れた。レンタル移籍中だった染野唯月と林尚輝が東京ヴェルディに完全移籍となり、今季は清水エスパルスで戦った中村亮太郎もモンテディオ山形へ完全移籍した。今のところは「出ていく方が多い」という印象が拭えないところはある。