2024年のJ2で真っ先にJ1復帰を決めて優勝したのは清水エスパルスだった。秋葉忠宏監督体制2年目だった24年はシーズン序盤から勝ち星を重ね、基本的に自動昇格圏の2位以内をキープ。最終的には勝ち点82を稼ぎ、トップ通過を果たしたのである。
「今年(24年)は自分が頭から監督をやっているから大丈夫。フィジカル面でもテコ入れを図り、厳しい状況でも戦い抜けるタフな集団を作ってきた」と指揮官も口癖のように語っていた。5~6月にかけて苦境に陥った時期もあったが、最終的には他クラブをしのぐ分厚い選手層で走り抜けたと言っていいだろう。
そんな清水を改めて総括すると、総得点68、総失点38。総得点はV・ファーレン長崎に次ぐ2位、総失点はリーグ4番目の少なさで、秋葉監督はどちらもバランスの取れた状態に仕上げたと言っていい。
得点力に関しては、シーズン12ゴールをマークしたキャプテン・北川航也の存在が非常に大きかった。
「昨年(23年)まではチアゴ・サンタナ(浦和)がいて、自分は2列目で出たりしていたけど、今年(24年)は僕が1トップに入る形になり、『自分がやらなければいけない』という気持ちが強くなった」と言うように、強い自覚が結果に結びついた。
もともと同世代の南野拓実(モナコ)、オナイウ阿道(トゥールーズ)ともに将来の日本サッカー界を担う逸材と目された男だけに、ポテンシャルを考えればこのくらいの数字を残すのはある意味、当然かもしれない。