■完全復活が求められる林大地

 だからこそ、今夏加入した林大地、今季やや低調なパフォーマンスに終わった食野亮太郎らの復調が求められるところ。イッサム・ジェバリら外国人選手の入れ替えがあるかどうか分からないだけに、日本人選手の個のレベルアップは必須。坂本一彩がいつまで日本でプレーするか分からない分、林には完全復活を期待したい。
 ご存じの通り、彼は2021年夏の東京五輪で予備登録から正式メンバー入りし、最終的には上田綺世(フェイエノールト)からポジションを奪い取った実績がある。その後、赴いたシントトロイデンやニュルンベルクではブレイクしきれなかったが、泥臭くゴールを追い求めるアグレッシブさは誰にも負けない。本人もジュニアユース時代を過ごした古巣で成功を収めたいと躍起になっているはず。その思いをピッチにぶつけて、宇佐美と並ぶ得点源になってもらいたい。
 いずれにしても、ダニエル・ポヤトス監督体制3年目のガンバは何としてもタイトルを奪還しなければいけない。今季は天皇杯であと一歩のところまで迫ったが、来季はそこからもう一段階、上のステージに上がれるようにチーム全体の総合力を引き上げていくことが肝要だ。
 堅守に多彩な得点力が加われば鬼に金棒。そういうベストな状態を作り上げてほしいものである。
(取材・文/元川悦子)

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