■納得感の低い「レギュレーション」
今年の大会には全国の地域リーグから28チームが参加した。そのうち、シードされた6校と「強化ラウンド」行きが決まっていた2校以外の20校が「予選ラウンド」を戦った。その1試合の「予選ラウンド」で勝ったほうが、6つのシード校とともに「決勝ラウンド」に進み、4チームずつの4グループに分かれ、各組上位2チームが準々決勝に進むのだ。
一方、「予選ラウンド」で敗れた10校と、予め決まっている2校が「強化ラウンド」に回り、グループリーグと準決勝、決勝を行う。
つまり、「決勝ラウンド」が上位リーグ、「強化ラウンド」が下位リーグということになる。多くのチームに多くの試合機会を与えようということのようだが、たった1試合の結果で「上位」と「下位」を分けてしまうのは、ちょっとおかしなレギュレーションのような気もする。上位リーグと下位リーグは、リーグ戦の戦績によって分けたほうが納得感が高いのではないか。
その「予選ラウンド」では東京の味の素フィールド西が丘やAGFフィールドも使用されたのだが、その後は「強化ラウンド」は茨城県のひたちなか市と水戸市。「決勝ラウンド」のグループリーグは栃木県、岐阜市、大阪府四条畷市、福岡県北九州市で開催され、準々決勝以降は栃木県の3会場が使用された(準決勝、決勝は宇都宮市グリーンスタジアム)。
全日本大学連盟で最も加盟校が多いのはもちろん関東地方。そして、関東の中でも多くの大学が集中しているのが東京都、神奈川県だ。従って、大学サッカー・ファンも首都圏に多い。
だが、今年のインカレは首都圏では試合が(「予選ラウンド」を除いて)組まれていなかった。やはり、観客動員のためにも、大会の権威付けのためにも、せめて決勝戦くらいは首都圏の(あるいは関西圏)の大きなスタジアムを使ったほうがよいのではないだろうか?
ちなみに、昨年の第72回大会の決勝戦は茨城県のカシマサッカースタジアム(アントラーズの本拠)だったし、一昨年の第71回大会決勝は2023年1月1日に東京・国立競技場を使って行われた。その前は、さいたま市の浦和駒場スタジアムが使われることが多かった。
ちなみに、国立での決勝戦は新潟医療福祉大学と桐蔭横浜大学の間の点の取り合いとなり、後半アディショナルタイムに桐蔭の山田新(現、川崎フロンターレ)が決勝ゴールを決めて勝利した。
そうした、過去の決勝戦に比べて、宇都宮グリーンスタジアムというのは、明らかに“格落ち”の感が強い。