■自他ともに認める「世界トップ国」へ
さらに1986年ワールドカップ・メキシコ大会では、新エース、エミリオ・ブトラゲーニョ(レアル・マドリード)の台頭もあってラウンド16でデンマークを5-1で撃破、ワールドカップでのベスト8は、1950年ブラジル大会のベスト4以来の好成績だった。
以後の15年間、育成に力を入れたスペインは徐々に世界のサッカーの中での存在感を増し、今世紀に入ってからはワールドカップ1回、欧州選手権3回の優勝を飾り、自他ともに世界のトップ国と認めるまでになった。
その大きなカギとなったのが、1983年12月21日、セビージャでの「奇跡の12得点」だった。メディアもファンも「不可能」と思っていた。そう思っていなかったのは、ミゲル・ムニョス監督と選手たち。この勝利こそ、スペイン・サッカーの現在の姿の原点だった。