■幸先のよい「先制点」になるはずが…
主審はトルコのエルカン・ゴクセル、43歳。試合は白いユニホームのマルタのキックオフで始まったが、すぐにボールを奪ったスペインが左から攻め、ゴルディーリョが強引に突破してクロス、サンティリャーナのシュートがGKにセーブされる。その直後、左からペナルティーエリアに入ったカラスコが倒されてエルカン主審がPKを宣告する。
キッカーはセニョール。落ち着いているように見えたが、右足から放たれたボールは左ポストの根元を叩いた。このときマルタGKジョン・ボネロはキックの前にじわじわと前進し、キックの瞬間にはゴールラインから1メートルも前にいたが、当時のレフェリングはこの反則に鷹揚だった。もちろん、VARなどが、何かくちばしを挟むわけではない。
幸先のよい1点になるはずだったPK失敗は痛かったが、スペインはさらに猛攻をかける。ビクトル・ムニョスのドリブルシュートが右ポストを叩く。まだ開始から10分もたっていないのに、後半アディショナルタイムのようにゴール前に高いボールを送り込む。しかし、マルタの守備も集中している。