■そもそも「リーグカップは必要なのか?」

 実際、現状でも3つの大会の優勝争いが続いてしまう状況はあった。

 たとえば、今シーズンのサンフレッチェ広島。9月上旬にルヴァンカップ準々決勝2試合を戦って名古屋グランパスに敗れ、同11日に天皇杯準々決勝でガンバ大阪に敗れた。ようやくカップ戦が終了したと思ったら、9月19日にはAFCチャンピオンズリーグ2が開幕し、海外遠征も含めて6試合を戦うことになった。

 つまり、9月の広島はリーグ戦を含めて4つの大会を戦ったのだ。

 そして、これはミヒャエル・スキッベ監督の考え方なのだろうが、広島はあまりターンオーバーしないでカップ戦に臨むことが多い。

 その後、広島はJ1リーグの終盤の10月から11月にかけて連敗して、首位の座を陥落。今シーズンのリーグ戦の優勝を逃してしまった。連戦の影響が大きかったことは間違いない(優勝した神戸も過密スケジュールだったが、吉田孝行監督は積極的にターンオーバーを使い、カップ戦では先発11人を入れ替えて戦うことが多かった)。

 そもそも、秋春制移行のメリットの一つとして、現行スケジュールのようなリーグ戦終盤での代表活動による中断を避けられるということが挙げられていた。

 それなら、やはりリーグ戦の終盤にカップ戦が重なる日程は避けるべきだろう。

 天皇杯はウィンターブレーク入りの直前、つまり1月に決勝を行い、ルヴァンカップ決勝はリーグ戦終盤の4月、5月に行うようにするのか、あるいは天皇杯をシーズン終了に合わせて5月開催として、ルヴァンカップは冬の間に終わらせるのか……。

 そもそも、「リーグカップは必要なのか?」という点も含めて、慎重に年間スケジュールを決めてほしいものである。

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