■やさしい言葉で「プレーの本質」を解明
日本サッカーリーグ(JSL)などの試合を見に行って、「なんだ、つまらない試合だったなぁ」と思って帰宅して、その後『サッカーマガジン』誌などで賀川さんが書いた記事を読むと、僕が「つまらない」と思った試合がいかに中身の濃い試合だったか、分かりやすく解説されていました。
「試合を観る“眼”を持っていればサッカーの本当の面白さが分かるのだろう」
僕は、いつかは自分もそういった“眼”を持って、サッカーの面白さを堪能できるようになりたいと思ったものです。
それから50年以上が経過して、ようやく今、僕はどんな試合を観ても(両チームが真剣に戦っている限り)自分の“眼”で面白さを見出すことができるようになったつもりです。しかし、僕には賀川さんのように、その面白さを軽妙洒脱な文章として誰にでも分かるように解説することはできません。
難しい専門用語を並べてごまかしたりせずに、誰もが分かるように、やさしい言葉でプレーの本質を解き明かす……。賀川さんの記事は僕たちジャーナリストの目標でした。