■中島「変な話ですけど、絶対に2点取らないと勝てない」
5%という数字をはじき出していた森山佳郎監督に素直に驚かされただけに、逆に素直に聞いてみた。何がその達成の要因だったのか、と。
森山監督は「そうですね……」と頭を傾げ、「やっぱりJ1に上がりたいという思いや気持ちが強い」とまずは説明する。そして、「去年、特に16位で悔しい思いをして、もうこんな悔しい思いをしたくないところからスタートしていて、こういうチャンスがめったにない中で、最後にすべりこんでプレーオフに入って、このチャンスをつかみたいっていう思いは強いし、その気持ちが強い選手が多いところでは、この中断期間でやっぱそれも煽りながら来ました」とも。悔しさを反骨心とする選手の機微を呼んだ指揮官が、それをくすぐっていたというのだ
その煽り方について、この試合の流れを一気に手繰り寄せるPKを決めたばかりか、4得点目を決めた中島元彦が明かしていた。試合のプレッシャーについて聞いたところ、意図せず、「(仙台は)絶対1点を取られるチームなんで、ゴリさん(森山監督)も“1失点は絶対覚悟しろ。それ以上に点を取らないと勝てないぞ”っていうのは言っていた。変な話ですけど、絶対に2点取らないと勝てないって。そういうハッパのかけ方っていうのはゴリさんがうまかった」と中断期間について説明したのだ。
さらに、メンタル的な要素と、もう一つのキーワードも選手・監督の口から出てきた――。
(取材・文/中地拓也)