「終了間際の連続CK」の意味と「ピッチ上で証明した」菅原由勢の熱い言葉、連勝した中国と「年内最後の一戦」へ【インドネシアに快勝、サッカー日本代表「11月のアウェイ2戦」の大激論】(6)の画像
代表に選ばれながらも出場できない苦しさを吐露した菅原由勢。それでも下を向くことなく、努力し続け、大舞台でゴールという大輪の花を咲かせた。撮影/中地拓也

 サッカー日本代表が快勝した。インドネシア代表とW杯アジア3次予選を戦い、アウェイで4-0で勝利したのだ。その内容と結果は、どのような意味を持ち、そして、代表チームの血肉になったのか。今後、待ち受ける中国戦の展望も含めて、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り合った。

■本大会出場へ「王手」か

――次の中国戦で、ワールドカップ本大会がグッと近づいてきそうです。

後藤「今のチームを見ていると、このままワールドカップに行っても、かなりやれるんじゃないかな。もしかしたら相手が弱いだけなのかもしれないけど、ゲームを読む目などチームの完成度はすごく高いと思う。だから、もっと強い相手とやるのを見たいよね」

大住「今回のインドネシア戦でも、そういう戦い方ができたという成功体験を重ねられたのは収穫だったと思うよ」

後藤「そうだね。それに僕が一番偉いと思うのは、点差がついても皆が最後まで一生懸命やるところなんだよね」

大住「確かに。僕が感心したのは、後半の40分過ぎに奪った連続CK。勝っているチームにとって、一番良い試合の終わらせ方だよね。こぼれ球を狙ってシュートして、相手に当たってまたCKになって…。あの時間帯に連続CKを奪ったのは、力のある証拠だなと思った。あっさりしてないんだよ、しつこいんだもん。相手にボールを取られても、すぐに追いかけて体を入れてさ」

後藤「4-0になって相手も疲れているのは、目に見ている。適当に時計を進めて終わらせてもいいかなという時間になっても、日本の選手は本当に一生懸命やるんだよね。Jリーグでも、勝っている状況で次の試合のことが頭に浮かんで、おかしくなっちゃうこともある。どの国の代表チームでも、そうだよ。ふつうに起こるそういうことが、最終予選のここまで5試合で全然出てこないもんね。それが一番関心する点だよ。うまい選手たちが、点差が開いたときでも、弱い相手に対しても、最後までちゃんとすべきことをやるんだよ」

  1. 1
  2. 2
  3. 3