11月23日、国立競技場で天皇杯決勝が行われた。ヴィッセル神戸とガンバ大阪が激突した試合での、ある守備場面が称賛されている。
両チームがタイトルを懸けてぶつかったこの試合は、序盤からそれぞれが堅い守備を見せて互いに得点機会を許さない。その気迫のこもった守備の一つが、前半終了間際の場面だ。
G大阪のMF山下諒也が右サイドでドリブルを開始。自陣から神戸陣内へと入り、神戸DF2人に対してスピードを落とさず、さらに中に進路を取る強気の姿勢を見せる。
神戸MF井手口陽介が必死に戻ったこともあって、山下はボールを持ち直して外へと運ぼうとする。そのままペナルティエリア内に侵入しようとする中、神戸DFマテウス・トゥーレルがその守備力を見せつける。ドリブルする山下とボールの間にうまく体を入れて、その動きを完全にシャットアウト。自身は転ぶこともないままボールを切り返して前を向き、冷静につないだのだ。
スライディングなどを一切せずに何事もなかったかのようにボールを奪いきることで、前半終了間際という“イヤな時間”でのチャンスを与えることなく、チームを救ったのだ。