■厳しい中でも残した可能性
これで前半から3点をリードした鹿島。今季は3-0から3-3に追いつかれた5月12日の東京ヴェルディ戦のようなゲームもあっただけに油断はできなかったが、中後体制で整備された強固な守備組織は崩れなかった。指揮官はラスト15分は長期間、構想外扱いになっていた津久井佳祐を投入。5バックにして守り切るという手堅い采配も見せた。後半ロスタイムに山本悠樹に直接FK弾を決められたのは反省すべき点もあるが、3-1で勝ち切った事実は何よりも大きかったと言っていい。
これで川崎に2010年以来のシーズンダブルを達成。等々力では2015年以来の勝利となった。首位・ヴィッセル神戸とのポイント差は鹿島が1試合少ない状態で10と非常に厳しいが、可能性を残したのは事実。彼らは残り全勝を目指して突き進んでいくしかない。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)