■明確に出た“狙い”
その狙いが開始早々から明確に出た。この日の鹿島は球際や局面のバトルで相手に勝ってボールを奪い、タテに早くボールを出していくという狙いが顕著だった。そのうえで迫力を持ってサイドアタックを仕掛けた。
それがまず奏功したのが、開始10分の先制点。左からの崩して右のスローインを取った鹿島は師岡が投げたボールを柴崎が受け、すぐさま中央にクロスを送った。ここに打点の高いヘッドで合わせたのが知念。奇しくも来季監督就任が濃厚と言われる鬼木達監督の目の前で豪快弾を決めると同時に、古巣への恩返しを果たしたのである。
「監督が代わってチームとして狙っていた部分がハマったゴールだったかなと思います。川崎はお世話になったクラブなんで、成長した姿を見せたいと思っていた。ゴールという形でしたけど、取れてよかったです」と背番号13は爽やかな笑み浮かべていた。