J1ジュビロ磐田の元日本代表GK川島永嗣のチームを救う試合終了直前のPKストップが、ファンを大きな感動と興奮に包み込んだ。
10月19日に行われたJ1リーグ第34節で、自動降格圏内の18位の磐田は、敵地で7位のセレッソ大阪と対戦した。試合は、前半5分に磐田が幸運な形で先制点を奪うと、後半26分にはエースFWジャーメイン良がこの日2点目のゴールを決めて2−0とリードした。
しかし、後半43分にC大阪FWレオ・セアラがゴールを決めて磐田の快勝ムードが一転すると、後半アディショナルタイム6分、ペナルティエリア内で松原后と田中駿汰が接触し、PKの笛が鳴った。微妙な判定だったが、磐田は絶体絶命のピンチに陥ることになった。
だが、磐田には川島がいた。国内外9クラブを渡り歩き、日本代表として国際Aマッチ出場95試合でワールドカップに4大会連続で出場した守護神は、対峙したレオ・セアラを険しい表情で見つめながら集中力を高めると、ゴール左下を狙った鋭いシュートに対して横っ飛びで反応。完璧なセーブで防いで見せた。
まだ試合が継続していたため、PKストップ直後の川島の表情は変わらずに険しいままだったが、自ら大きく前線にパントキックした直後に試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチに伏して拳を叩く。そして駆け付けてきたチームメイトに揉みくちゃにされながら、歓喜の雄叫びを上げた。