Jリーグ昇格を目指す「高知の雄」がまさかの首位陥落、飛び込んできた「最強のアマチュア」活動終了のニュース【衝撃のソニー仙台FC廃部が示す「JFLと日本サッカー」の現在地】(1)の画像
昨年8月の天皇杯ラウンド16では、川崎フロンターレと対戦した高知ユナイテッドSC。1-0で敗れたものの、J1の川崎を相手に健闘した。撮影/中地拓也

 Jリーグの誕生とともに劇的な進化を遂げてきた日本サッカー。一方で、プロリーグではないものの、重要な部分を担ってきた「戦いの舞台」がある。日本のサッカーの成長を示す「JFLの現在地」を、サッカージャーナリスト後藤健生が探る。

■J3リーグ昇格をかけた「熱い戦い」

 J3リーグへの昇格をかけた熱い戦いが繰り広げられている日本フットボールリーグ(JFL)。

 10月12日には第24節が行われ、ずっと首位を走っていた高知ユナイテッドSCが、前節まで14位と低迷中の横河武蔵野FCに敗れ、同時刻に行われた試合で2位の栃木シティFCが勝利したため、高知はついに首位の座を明け渡すことになった。

 J3からJ2、J2からJ1への昇格と違って、JFLからJ3への昇格は、優勝チームはJ3最下位との自動入れ替えとなるが、準優勝チームはJ3リーグ19位との入れ替え戦に勝たなければいけない。つまり、優勝と準優勝では大きな違いがあるのだ。

 横河武蔵野と対戦した高知は、立ち上がりは得意の速攻の形を作り、右サイドハーフの小林心やサイドバックの吉田知樹からの強烈なクロスで再三チャンスを作っていた。だが、いくつかのチャンスを決めきれずにいると、前半も残り少なくなった42分に横河武蔵野がスローインからゴール前に上げたボールを澤野康介が決めて1点をリード。高知はこの1点で浮足立ってしまい、後半は焦りの色が濃くなり、形を作れなくなってしまった。

 全員が前に前にと攻め込む高知。一方、リードしている横河武蔵野は慎重に守るから、横河武蔵野のゴール前にはスペースがなくなってしまう。これでは、高知が狙っているカウンターの形は作れない。

 さらに、時間とともに高知の焦りは増すばかり。縦へのパスが深くなりすぎてゴールラインを割ったり、相手GKにキャッチされる回数が増えていった。

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