J2横浜FCでプレーするMF山根永遠が、恩師の姿を自身のSNSに投稿した。かつて「組長」と呼ばれた強面指揮官の変貌ぶりに、驚きの声が広がっている。
プロサッカークラブで、選手とスタッフがまったく変わらず次のシーズンに進むことはあり得ない。出会いとともに、別れがつきものの世界だ。
だが、たとえチームは別々になろうとも、一度生まれた絆は簡単には消えない。むしろ、別々の道を歩むようになった後も、そのつながりは強さを増すことがある。
横浜FCでプレーする山根は、そうした絆を大事にし、頻繁に再開した元チームメイトらとの写真を自身のSNSに投稿している。山根の父親で、元Jリーガーの巌氏さんが選手として所属していた当時の柏レイソルで指揮を執っていた石崎信弘・現ヴァンラーレ八戸監督との写真では、自身の息子も交えての3代続くつながりを披露していた。
今回投稿された写真でも、山根の息子が大きな役割を果たしている。ある男性が抱っこをしているのだが、その人物とは「組長」の異名で知られ、浦和レッズやザスパクサツ群馬で指揮を執った大槻毅氏だ。
山根と大槻氏は2022年、半年ほどながら群馬で共闘している。当時、山根は群馬に完全移籍で加わったばかりだったが、その活躍ぶりでシーズン半ばに横浜FCに引き抜かれる格好となり、半年ながら自動昇格権獲得に貢献すると、翌年には自身初となるJ1での試合出場を果たした。
短い時間ながら、育ててもらった恩義を感じているのだろう。山根はオフに食事をともにしたことを報告し、自身の息子を抱く大槻氏の写真をアップした。
驚くべきは、大槻氏の様子だ。浦和時代には、勝負師としてのスイッチを入れるため、オールバックにした強面で激を飛ばし、ファンからは「組長」「親分」などと呼ばれていた。だが、写真に収まる大槻氏は髪も下ろして、群馬の監督の職を離れて半年弱ほどながら、この上なく柔和な表情を見せているのだ。