■2連勝で「光明が見えてきた」川崎だったが…
残留争いをしている湘南相手の試合で、そうした慢心がほんの少しではあるが、顔を出したのかもしれない。それが、試合の入りで出てしまった。それが、第33節の湘南戦だったのではないだろうか?
もちろん、選手たちはすぐに「これではいけない」と気づいたはずだが、入り方を間違えてしまうと、強豪チームでも試合中に立て直すのは難しいことなのだ。
同じようなことは、どこのチームにも起こりうる。
第32節の新潟戦では5対1で勝利し、続く町田戦も4対1。川崎には、光明が見えてきたのかもしれない。
だが、その日程の谷間に行われたACLの光州FC戦では、最悪の試合をしてしまった。
Jリーグの日程を優先して、光州戦ではメンバーが変更された。
最近はアンカーとして中盤でにらみを利かせている河原創や、進境著しいストライカーの山田新、スピードスターのマルシーニョなどはすべてベンチスタート。このところ、急激に守備の安定感を増してきた若手DFの佐々木旭もベンチだった。
そして、今シーズンはほとんど交代出場だったベテランの小林悠がトップで先発した。
リーグ戦のことを考えれば、このメンバーで戦うしかない。同時に、光州の戦力を考えれば、このメンバーでも戦える。鬼木達監督には、そんな思惑があったのかもしれない。
だが、選手たちも、力をセーブしようという気持ちがあったのだろうか? ゆるい入り方をしてしまったのだった。