■選手から出た「相手に戦い方を研究されている」
ところが、佐野海舟(マインツ)が移籍し、8月に知念が約1か月間離脱したことで、中盤の守備力が目に見えて低下した。加えて、鈴木優磨に代わる得点源として期待されていたチャヴリッチも長期離脱。8月以降の鹿島は同じような陣容が続き、代わり映えのしないゲームを繰り返すことになった。
早川、濃野、植田直通、関川郁万、安西幸輝の守備陣は固定で、連戦になると疲労困憊に。「相手に戦い方を研究されている」と多くの選手が口を揃えたように、濃野も前半戦のようにゴールが奪えなくなった。鈴木優磨へのマークも厳しくなり、得点の形を作るのが容易ではなくなった。
それ以外にも、選手層の薄さ、チャヴリッチとターレス・ブレ―ネル以外の外国人が適応の遅れ、柴崎岳の不調といった問題点も散見され、ポポヴィッチ監督も有効な策を見いだせないまま、時間だけが過ぎていく形になってしまった。
彼らにとってダメージが大きかったのは、J2降格危機に瀕しているジュビロ磐田、湘南ベルマーレ、今季昇格組の東京ヴェルディに苦杯を喫し、苦境に瀕している浦和レッズや柏レイソルにもドローとポイントを稼げなかったこと。9月25日の天皇杯準々決勝では神戸戦に力の差を見せつけられ、0-3で完敗。これも指揮官解任・FD更迭の流れに拍車をかけたではないか。