■発表された新人事
さらに追い打ちをかけるように、濃野が右ひざを負傷。今季絶望と見られる大ケガを負った。そこでポポヴィッチ監督は前日の新潟戦で鹿島伝統の4バックではなく3バックを採用。新たな活路を見出したと思われた。そんなタイミングだったからこそ、指揮官とFDの更迭というのはショッキング。多くの関係者やサポーターも「なぜ今なんだ」という疑問を抱いたことだろう。クラブ側にその説明責任があるのは間違いない。
ただ、いずれにしても、今の鹿島はまだAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位以内を狙える位置にいる。3位・町田との差は6で、12月8日に最終節に直接対決が残っていることを考えると、まだまだ目標が完全になくなったわけではない。
クラブは10月の代表ウイーク期間中に新たな人事を発表。中田浩二強化担当の新FD抜擢、中後雅喜コーチの監督就任、本山雅志アカデミースカウトと羽田憲司・パリ五輪代表コーチのコーチ就任が決まった。これが選手・サポーターの動揺を最小限にとどめる道筋になるのか。まずはそこに注目したいものである。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)