【J2「足踏み」】清水エスパルス、MF矢島の豪快右足ミドルで同点も昇格は持ち越し J1を見据えると残る「大きな課題」【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
同点ゴールを決めた清水MF矢島慎也  撮影/中地拓也

■清水は「緩い守備」で前半に2失点

「超攻撃的」が、課題を残した。

 J2リーグ第34節が10月5、6日に開催され、首位の清水エスパルスは15位の水戸ホーリーホックと6日にアウェイで対戦した。清水にとっては昨シーズン最終節の対戦で引分け、J1自動昇格を逃した因縁のカードである。

 清水はCB高橋祐治がスタメンを外れ、CB蓮川壮大が先発に指名された。また、MFカルリーニョス・ジュニオが4試合ぶりにスタートからプレーする。システムはいつもの4-2-3-1だ。

 試合の入りは悪くなかった。開始2分、持ち前のショートパスをつないで水戸のゴールへ迫り、カルリーニョス・ジュニオのコントロールショットがバーを際どく超えていく。しかし23分、自陣右サイドでMFルーカス・ブラガがボールを失うと、反則をアピールして守備へ切り替えない。その流れからDFラインの背後を突かれ、先制点を喫した。DF蓮川のシュートブロックでコースが変わり、GK権田修一の頭上を破られたのは不運だったが。

 38分にも追加点を喫する。左サイドからクロスを入れられ、ゴール前へ走り込んだFW中島大嘉にプッシュされた。水戸からすれば狙いどおりのゴールだったのだろうが、クロスを入れた選手へのカルリーニョス・ジュニオの寄せが甘い。「自分たちが取れなければ取らせない」(秋葉忠宏監督)という姿勢を確認してきたはずだが、あまりにもあっさりと2失点をしてしまった。

 42分にも左ポスト直撃のシュートを許した。前半の清水はディフェンスが緩かった。3失点目を喫したら勝負は終わっていたはずで、まだ運があったのかもしれない。

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