【引退決意のGK本間幸司が話す、サッカーのつながりとJ2水戸への愛 (2)】目指すは「“まだできるんじゃない?”って言われながら辞める47歳」……小林悠や前田大然ら後進への思いもの画像
清水エスパルス戦でウォーミングアップする水戸ホーリーホックGK本間幸司 撮影:中地拓也

「感傷に浸る時期もあったんですけど、でも、僕らしく終わるには、今までどおり変わらずチームのために何ができるかを考えたし、最後の最後までピッチに立つために全力を尽くす」

 強い気持ちを優しい語り口調で話すのは、今季での引退を発表した水戸ホーリーホックのGK本間幸司だ。10月6日のJ2・清水エスパルス戦後のミックスゾーンでのことで、9試合ぶりにベンチ入りとなった本間にその気持ちを聞いた答えである。
「ハーフタイムの笑顔がとても印象的でした」
 その人柄の優しさに思わず、率直な感想を話してしまったが、返ってきたのはさらに熱い言葉。「もちろん僕はこのチームで誰よりも長くいるし、愛着があるし、自分よりもチームが良ければって思いがありますから。それと、ここ(ケーズデンキスタジアム水戸)でサッカーするのもあと1回しかないので、最後まで純粋にフットボールに向き合いたかった」というものだ。茨城県出身で、J2水戸での在籍期間は26年。その言葉には重みがある。
 ベンチ入りが分かった瞬間の気持ちを聞いても、とても実直。「今日、勝つために俺ができることはなんだろう」と自問して、体の準備に取り掛かったという。

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