■「町田相手には、気持ちが必要だ」
帝京高から日本体育大をへて昨シーズンに加入したJ2のヴァンフォーレ甲府で、森保ジャパンにも抜擢されたプレーが評価され、今シーズンに川崎へ加入した24歳は、プレーできる喜びを全身で表現するように左サイドを何度も上下動。71分にはマルシーニョのゴールをアシストし、川崎を4-1の圧勝に導いた。
「颯太とは今週の練習を通して『町田相手には、気持ちが必要だ』とずっと言い合ってきた。本当に気持ちを感じさせる、颯太の特長が出たゴールだったと思う」
魂が込められた三浦の同点ゴールを、うれしそうに振り返ったセンターバックの佐々木旭は、10分後の38分にはまったく異なる言葉を心のなかで叫んでいる。
「何をしているんだ、あいつは……」
佐々木が視線を送った町田ゴール前では、右足を振り抜く体勢に入った山田が、スタジアムに居合わせた全員を驚かせる形でシュートを放っていた。
(取材・文/藤江直人)
(後編へつづく)