■中野「いろいろな戦い方ができている」

 広島があげた2ゴールをともにアシストした中野は、3バックの右、中央に右ウイングバックを含めたどこが自身の最適解なのか、と問われてこう語っている。

「どのポジションで出ても、高いクオリティーでプレーする、というのが自分の目指す理想像でもあるので。すべての試合で多くの成長をえられている、という意味ではうれしいけど、目標をもっと高く掲げて自分自身に向き合っていきたい」

 これでリーグ戦では直近の10試合で9勝1分け。驚異的なスパートで9シーズンぶり4度目の優勝へ向けて、町田との天王山で価値ある白星もあげた。

「選手たちのなかで、いろいろな戦い方ができているのがすごく大きいと思う。町田戦のように前からプレッシャーをかけて後ろで拾う戦いもそうですし、相手にもたれたときには我慢強くプレーする時間帯も増やせているので」

 広島が絶好調の軌跡を刻む要因をこう分析した川辺は8月に、スイスのグラスホッパー、ベルギーのスタンダール・リエージュをへて、約3年ぶりに古巣・広島へ復帰した。残り6試合となったリーグ戦へ、勝って兜の緒を締めている。

「今日は順位的にも、ポイント的にも、自分たちのメンタル的にもすごく重要な試合でしたけど、まだ6試合が残されている。もちろんすべて勝ちたいけど、簡単じゃない試合もあるはずだし、その意味でもすぐに次へ向かわなきゃいけない」

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