■パリ五輪世代の爪痕の必要性
今回の1トップ候補はエースと位置付けられている上田綺世(フェイエノールト)、昨季オランダ1部でのブレイクで代表を射止めた小川航基(NECナイメンヘン)と細谷という陣容で、やはり上田が一歩リードという状況だが、細谷にも出番が巡ってきそうな気配がある。特にバーレーン戦は酷暑の環境で選手の入れ替えが必要。1年前の同時期にAFC・U-23アジアアップ予選でバーレーンに赴き、実際に試合をしている経験値がある分、細谷にはアドバンテージがある。
そこで彼が目に見える結果を残せれば、序列が上がることも大いに考えられる。来年6月までの最終予選期間に細谷がレギュラー候補に躍り出ることも夢ではない。久保、鈴木彩艶らとともにパリ世代でチームを活性化してくれれば、指揮官の思惑通りの展開になる。このチャンスを逃してほしくない。
今後、藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)や平河悠(ブリストル)らA代表予備軍が入り込む道を広げるためにも、彼らが今回の2連戦で爪痕を残すか否かが肝心だ。そこにも注目しつつ、重要な最終予選スタートの戦いをチェックしたいものである。
(取材・文/元川悦子)