北中米W杯アジア最終予選のメンバーが発表になった。1月末のアジアカップの途中離脱から約7か月ぶりに戻ってきたのは、ドリブル突破で敵陣を切り裂く「イナズマ純也」こと伊東純也(31)。そして、フランス1部スタッド・ランスの同僚である中村敬斗(24)も順調に選ばれた。国際Aマッチ10試合で8得点中と代表では絶好調の中村だが、現在、クラブでは苦戦を余儀なくされているという。なぜか?
■新監督に求められている「トップ下の動き」
「以前は右の伊東、左の中村と日本人コンビが左右から敵陣に仕掛ける攻撃パターンが多かったのですが、新監督のルカ・エルスネル氏の戦術は少し違うようです。
伊東はいつもの右サイドに加えてワントップ気味になることもありますし、中村は左サイドよりも、もっと中に入ってくる動きを求められているようです。いうならばトップ下、決定的なラストパスを出すことも求められており、まだ開幕2試合ですが、苦労しているようです」(現地メディア記者)
とはいえ、アウェーでの対戦となった第2節のマルセイユ戦では、マルセイユに先制を許すも、40分には伊東からの浮き球のパスをボックス内の右で見事な胸トラップでおさめると、伊東に落とす好プレー。その球を伊東がクロスで入れて惜しいチャンスを演出した。
結局、そのクリアボールがコーナーキックとなり、伊東が蹴った低い弾道のボールがこぼれ、アキエメが左足で豪快に叩き込んで同点に。
このように日本人コンビで右サイドを崩す得意の攻撃パターンを見せたかと思うと、49分には伊東からの横パスを中央で受けてコントロールショットを放つ。そのシュートはゴールキーパーに弾かれるも、54分には左サイドのドリブル突破からオーバーラップしてきたヤヤ・フォファナにパス。フォファナが左サイドの角度のないところから決めて、逆転ゴールを演出するなど、ゴールこそないものの、2人とも上々のパフォーマンスを見せているのだ。
そんな中村にとって、もうひとつの心配はアジア最終予選でのスタメン争いだろう。右サイドの伊東は盤石だが、左サイドには、あの男が戻ってきたのだ。