■8月の日本「シーズンオフにするしかない」

 さらに、試合が成立したとしても、高温多湿の条件ではプレーの質は担保されない。

 温暖化が進む現在。夏場の気温が高くなる日本列島では少なくとも8月は屋外でサッカーの試合を行うのに相応しい環境ではなくなった。中東諸国では夏場は当然シーズンオフとなるが、それと同じように8月の日本はオフにするしかないのではないだろうか。

 一方で、冬場の豪雪を考えれば1月、2月のリーグ戦開催も難しい。日本では冬と夏に2度中断期間を設けることを前提として年間スケジュールを作成すべきだろう。

 Jリーグは、長年の懸案だった秋春制の導入を決めた。

 秋春制に関しては反対論も根強かったが、最終的に秋春制推進派が説得の根拠としたのは「夏場の試合を避けるため」という理由だった。ここ数年の夏の暑さを顧みれば秋春制導入は正解だったとしか思えない。

 ところが、Jリーグは秋春制に以降する2026-27シーズンには、8月上旬にリーグ戦を開幕させる方針だという。「夏場の開催を避ける」ことを論拠に、強引に秋春制導入を進めておきながら、8月にも試合をするとは、どういう意味なのか?

 Jリーグは、開幕時期を再考すべきだ。

 Jリーグはシーズン制変更と同時にJ1のチーム数を従来の18から20に拡大した。もし、チーム数が18のままだったとすれば、J1リーグは各チーム34試合で終了することができる。つまり、4試合少ないのだから、8月開催を避けることができたはずだ。

 Jリーグは、なぜチーム数を拡大したのだろうか? また、たとえチーム数が20のままだとしても、なんとか8月上旬開幕だけは避けてほしいものだ。

 開幕早々に、中止や中断が続いたのでは盛り上がりを欠くことだろう。

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