後藤健生の「蹴球放浪記」第226回 パリ五輪サッカー日本代表「ナントの激闘と忘れえぬ美食」の巻(1)細谷真大&中山雅史の「ゴール」とカタール、南アフリカでの「格差」の画像
1998年フランス・ワールドカップのADカード。提供/後藤健生

 サッカー取材に欠かせないものがある。旅先で、しっかりと栄養を摂ることだ。蹴球放浪家・後藤健生にとっては、食事はただの栄養補給ではない。その土地や国そのもの、そして文化を教えてくれるものなのだ。

■男女ともに「運がなかった」対戦チーム

 パリ・オリンピックに挑んだUー23日本代表は準々決勝で敗れてしまいましたが、敗れた相手はオーバーエイジも使って金メダルを獲得したスペインでした。3年前の東京オリンピック準決勝で延長の末に敗れたときも、カタール・ワールドカップで逆転勝ちしたときも、日本は内容的には守備一辺倒になってしまったのですが、今回はスペイン相手にボールを握って攻める時間帯も作り、実際に細谷真大が(幻の)スーパーゴールを決めてみせたのですから、大健闘だったのは間違いありません。

 ちなみに、女子代表(なでしこジャパン)も、準々決勝で今大会で金メダルを獲得したアメリカとの対戦になってしまったのですから、男女ともに運もなかったようです。とくに、男子の場合はグループリーグを3戦全勝で首位通過したのに、スペインと当たることになってしまったとは……。

 深夜にテレビで日本代表の試合を見ていて、舞台となったフランスの競技場、とくに女子がスペイン、ナイジェリア、男子がイスラエルと戦ったナントのボジョワール・スタジアムはとても懐かしく感じました。そう、1998年のフランス・ワールドカップで日本がクロアチアと対戦したスタジアムだったからです。

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