■新潟コンビの「大笑い」トリック

 8月12日のJリーグ、アルビレックス新潟京都サンガF.C.で、新潟の堀米悠斗がすぐ前に立つチームメートの小野裕二の背中にボールを投げ、はね返ってきたところをプレーした。これにはスタンドも沸いたが、ルールに違反しているわけではない。新潟の聖籠町にあるトレーニンググラウンドで、チーム練習が終わった後にグラウンドに残った堀米と小野が、「こういうのをやってみよう」「面白いな、それ」などと言葉をかわし、大笑いしながら何回かやってみる光景が想像できる。こういうのは嫌いではない。

 だが私が最も好むのは、何と言っても「クイックスローイン」である。

 サッカー選手というのは、ボールがタッチラインを割ると必ずひと息つく。ボールパーソンがスローアーにボールを渡す。スローアーが構える。味方が動き、投げてスローアーの足元に戻す。そうしたスローインが圧倒的に多いからだ。守備側はいったん足を止めて味方と相手のポジションを確認し、それからマークに入る。

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