夏の中断期間を経てJ1が再開されたが、それよりも一足先に始まったのがJ2である。第26節を終えて、首位から勝点3差に3チームがひしめく大激戦で、さらに6位までの「昇格プレーオフ圏」争いも熾烈を極めている。J1中位クラブ同士の試合よりも見応えがあるというJ2の上位戦線の「真剣勝負」に、サッカージャーナリスト後藤健生が目を凝らす!
■2位・横浜FC×3位・長崎「上位対決」
清水エスパルスがベガルタ仙台に敗れた8月3日の夜、横浜FCはホームでジェフユナイテッド千葉を破ったが、長崎はホームで水戸ホーリーホックに敗れ、この結果、横浜FCが首位に立ち、清水が2位となった。
僕は、仙台での試合の翌日には、虎視眈々とプレーオフ圏を狙っている、いわきFCのホームゲーム(対、ブラウブリッツ秋田)を観てから、ハワイアンズスタジアム最寄りのJR湯本駅そばに1泊。福島の地酒と温泉を堪能して帰宅した。
そして、翌週(8月10日)はニッパツ三ツ沢球技場で横浜FC対長崎の2位対3位の上位対決を観戦することにした。
長崎は、第24節ではヴァンフォーレ甲府と引き分け、第25節は水戸相手に敗れており、ミニ中断もあったおかげでリーグ戦では1か月ほど勝利から見放されていた。
そんなチーム状態の中、横浜FCと試合で、長崎はシステムを変更。ボランチを2枚置いた4-2-3-1で戦った。
しかし、試合開始直後こそボールを握る時間が長かったものの、次第に横浜FCがボールを回してビルドアップ。長崎はカウンターを狙うという形になってきた。
攻撃がうまく機能しない長崎は明らかに受け身になっていた。
横浜FCは3-4-3で、システム上のミスマッチで長崎が劣勢に追い込まれたようにも思えたし、あるいはコンディション的な影響があったのか長崎の選手の動きにキレがなかったようにも見えた。パス・スピードが足りずにフィニッシュ段階でのパスが相手に引っかかってしまうのを見ると、三ツ沢球技場の芝生が深くてパスがうまく回らなかったのかもしれない。