■気になっていた「育成のプロ」率いる仙台

 そんな中で、オリンピック期間中にJリーグは短い中断期間があり、その間、三笘薫のいるブライトン&ホーヴ・アルビオンとかトッテナム・ホットスパーなどヨーロッパの強豪クラブが次々と来日してJリーグ・クラブと親善試合をしていた。

 だが、彼らはシーズン開幕前の調整時期で、選手のコンディションも上がりきっていないし、プレーのコーディネーション(自分の体を思い通りに動かす力)も不足した状態。一方、対戦するJリーグ・クラブも前半戦の疲労を溜めた状態であり、また、後半戦に向けてチームの再構成をしている状態だ。

 当然、ハイレベルな試合は望めない。中には、公開トレーニング・マッチのような試合もある……。そうしたエキジビション・マッチに飽きた僕は、真剣勝負を見たくなった。

 そこで、8月3日の土曜日には東京・国立競技場でニューカッスル・ユナイテッドの試合もあったのだが、J1リーグより一足早く再開するJ2リーグを観戦することにした。対戦カードを見ると、ベガルタ仙台対清水エスパルスという上位対決があるではないか。

 仙台は、6位までの「昇格プレーオフ圏」争いの渦中にいる。

 また、昨年までUー17日本代表監督を務め、育成年代のエキスパートだった森山佳郎監督が就任した仙台がどんなチームになっているのかも以前から気になっていた。

 というわけで、8月3日の朝、僕は「青春18きっぷ」を片手に仙台に向かったのである。

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