中村敬斗、久保建英を育てた森山佳郎監督率いる仙台が満員のホームで首位チームと激突【その激闘「三笘薫」超え 白熱のJ2リーグ「上位戦線」異状アリ】(1)の画像
ベガルタ仙台を率いる森山佳郎監督は、9年間にわたってU-17日本代表監督を務め、中村敬斗(写真)や久保建英、菅原由勢らを育てた。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

 夏の中断期間を経てJ1が再開されたが、それよりも一足先に始まったのがJ2である。第26節を終えて、首位から勝点3差に3チームがひしめく大激戦で、さらに6位までの「昇格プレーオフ圏」争いも熾烈を極めている。J1中位クラブ同士の試合よりも見応えがあるというJ2の上位戦線の「真剣勝負」に、サッカージャーナリスト後藤健生が現地から目を凝らす!

■J1中位クラブ同士よりも「面白い」激闘

 J2リーグでは清水エスパルス横浜FCV・ファーレン長崎の3強がしのぎを削っている。8月10日の第26節では、清水がザスパ群馬を4対0と一蹴して、再び首位の座を奪い返した。そして、勝点1の差で横浜FCが2位。そして、長崎が首位と勝点3差で3位。自動昇格圏を巡る激しい競り合いはまだまだ最後まで続きそうだ。

 ただし、残念なのは、今シーズンはJ2リーグを観戦する機会が減ってしまったことだ。

 というのも、長い間J2リーグで戦っていた東京ヴェルディFC町田ゼルビアがそろってJ1に昇格し、一方、大宮アルディージャがJ3リーグに降格してしまったため、首都圏のJ2クラブが横浜FCとジェフユナイテッド千葉の2つだけになってしまったからだ。

 もちろん、その分、J1リーグの観戦機会が増えたのだから文句を言う筋合いはないのだが、J2リーグの観戦機会が減ってしまったのはやはり残念なことだ。

 J2リーグは数年前から試合の質が上がっており、とくにJ1昇格がかかる上位チーム同士の真剣勝負は白熱するし、クラブの伝統や監督個人のサッカー観の違いが表れた個性的なクラブが多いのもJ2リーグの魅力だ。優勝にも昇格にも関わらないJ1リーグ中位クラブ同士の試合より、よっぽど面白い。

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