【歓喜の磐田と悲嘆の鹿島――古川と濃野の言葉から読み解く”伝統の一戦”のオモテとウラ(1)】古川陽介の決勝点と「迷ったら振り抜け」という監督の言葉の画像
ジュビロ磐田の古川陽介 撮影:中地拓也
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「今日こそはという気持ちでみんなピッチに入ったと思います。その魂の中で、自分が決勝ゴールを決められた」

 エコパスタジアムで行われた伝統の一戦で、鹿島アントラーズから逆転の決勝点を奪ったジュビロ磐田・古川陽介はそう振り返った。前半に鈴木優磨のPKでリードを許した磐田は後半の立ち上がりにハンドの判定がVARの介入で取り消されるなど、難しい流れが続く中で、横内昭展監督は後半20分に古川、ジョルディ・クルークスを左右ウイングに投入して勝負に出た。

 後半31分、山田大記を投入した直後に、クルークスのカットインからのクロスに山田が反転しながら左足で決めるファーストタッチゴールで同点に。そして終盤の後半44分、交代出場の西久保駿介による遠投気味のスローインを起点に、ペナルエリア右のポケットに侵入した植村洋斗のクロスから、ゴール前でFWの渡邉りょうが潰れたファーサイドで古川が左足のシュートを突き刺した。

 ゴールの外側から侵入した古川には右サイドバックの濃野公人が対応に来ていた。しかし、古川は「一瞬、折り返すとか、ドリブルでまたカットインするか迷ったんですけど、濃野選手が股を閉じるようなのが見えたので、ニア打ち抜けるなと思いました」と振り返る。シュートに行くと決めたら、冷静に来たボールを当てて、コースに打ち抜くことだけを心がけたという。

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