■藤田譲瑠チマの頼もしさ
一方で、攻守のかなめとしてチームをリードし、決定的な得点機を数多くお膳立てした藤田の成長にも森山監督は素直に喜びを覚えたようだ。
「ジョエルは2019年U-17W杯の時は『一番最後に来た男』だった。それなのに、合流してわずか1日・2日で最初からチームにいたかのような声出しをしていた。頭抜けた落ち着き、統率力、影響力を示していました。
五輪でもそのストロングを出しつつ、つねに顔が上がった状態で前向きにプレーしているなと思いましたね。判断スピードもプレースピードも速くて、本当に頼もしい存在でしたね。
そういう選手たちの活躍を見て、同世代の田中聡(湘南)とか西川潤(いわき)といった面々には頑張ってほしいところ。敬斗(中村=スタッド・ランス)や由勢(菅原=サウサンプトン)たちの2000年世代のように”負けじ魂”を示してほしいと期待しています」
森山監督の思いはもちろん仙台の若手にも向けられている。今の森保ジャパンを見れば、プロキャリアのスタートがJ2だった前田大然(セルティック)、毎熊晟矢(AZ)のような人材もいる。J2にレンタル移籍を経験している川村拓夢(ザルツブルク)も6月シリーズには名を連ねており、サッカー選手というのはちょっとしたきっかけでどう転ぶか分からないのだ。