■逆境や危機感を大きなエネルギーに

 その後のオーバーエージ(OA)枠を巡る騒動の中でも「U-23世代だけで勝てるところを見せたい」と西尾隆矢(C大阪)が語気を強めるなど、全員が「自分たちの力で世界トップに立つんだ」という強い意欲と野心を押し出した。逆境や危機感を大きなエネルギーに変えたタフなメンタリティが彼らの急成長の一因になったのは間違いないだろう。

 加えて言うと、1~2月のアジアカップ(カタール)に鈴木彩艶、細谷、野澤大志ブランドン(FC東京)の3人が参戦したことも、パリ世代全体にプラス効果をもたらしたのではないか。

 細谷が初戦・ベトナム戦でスタメン起用されながら、仕事らしい仕事ができないまま45分で下げられたり、全試合に出場した鈴木彩艶が不安定なパフォーマンスを露呈し、さまざまな批判にさらされるのを目の当たりにして、「自分たちの世代はもっと成長しなければいけない」という危機感を全ての選手が強めたはずだ。

「今年に入って選手たちがグッとレベルアップしているなと1回目の活動(3月)に感じた」と大岩監督もしみじみ語っていたが、最終予選・本大会が近づくにつれ、自覚が高まっていったのは確かだ。

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