■長くなった「5バック」の時間

 アメリカが圧倒的にボールを支配する試合。延長戦まで120分間を通じてのボール支配率は、公式記録によればアメリカ71%、日本が29%というものだったが、日本は非常に賢く守り、押されながらもアメリカに決定的なチャンスはつくらせず、前半の終盤にはパスをつないでアメリカゴールに迫った。しかし、田中美南のシュートは相手GKの正面をつき、守屋都弥のシュートは大きく右にはずれた。
 日本は熊谷紗希を中心とする3バック。右に古賀塔子、左に南萌華。ボランチは長谷川唯と長野風花、前線には、右に藤野あおば、左に清家貴子、中央に田中。「ウイングバック」は、右に守屋、左に北川という布陣だったが、前半30分過ぎまで相手の支配率が78%という形勢の中、守屋と北川はDFラインと並び、「5バック」の時間が長かった。
 この状況で相手に大きなチャンスを与えなかったのは、前線の守備がうまく機能していたからだ。 

  1. 1
  2. 2
  3. 3