スピードの変化でいなして「加速」して敵を置き去り
この小久保のビッグセーブの後もマリの攻勢は続き、日本は守備に追われた。後半26分には、FKからマリFWシェクナ・ドゥンビアに出し抜かれ、ヘディングシュートが日本のゴールポストの根元をかすめて外れるというシーンがあった。それでも日本はチーム全員で懸命に守り、マリにゴールを割らせなかった。
その粘りが生きたのが、後半37分だった。自陣右でMF山本理仁が相手の縦パスをカット。そのボールが、山本の前にいたFW細谷真大に渡る。マリのMFイソフ・シソコがくらいつくが、細谷はスピードの変化でいなし、右タッチライン近くまで出ながら加速し、シソコを置き去りにして突破。
中央を走ってきて止まったMF三戸舜介をめがけて低いクロスを送る。残念ながら三戸は合わせることができなかったが、その背後、左からMF佐藤恵允が走り込み、右足で合わせる。無理な体勢だったため強いシュートにはならなかったものの、ゴール右隅を破ろうとするシュートをマリGKラシヌ・ディアラがかろうじてはじく。
そこに走り込んできたのが山本だった。飛び込みざま左足つま先でプッシュ。ボールはマリ・ゴールに転がり込んだ。