「チームを救った」小久保玲央ブライアンのビッグセーブと「粘りが生きた」細谷真大の突破【準々決勝進出「パリ五輪サッカー第2戦マリ戦」運命の後半と最大の勝因】(1)の画像
パリ五輪サッカー日本代表がグループリーグ2連勝で準々決勝進出を決めた。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

枠内に飛んできた低く強いシュートに「左手」が反応

 前半、日本がボールをもつとブロックをつくって待ち構えていたマリが、後半、前線から強く圧力をかけてきた。
 初戦、圧倒的に攻めながらイスラエルのゴールを割れず、0-0の引き分けに終わっていたのだから、当然の変化だった。そうした中で訪れた日本の決定的なピンチ。それを救ったのは、GK小久保玲央ブライアンだった。
 後半18分、日本から見て右のインサイド気味のポジションからマリDFフォデ・ドゥクレが入れた縦パスをMFブーバカール・トラオレがワンタッチで内側に流す。実際にはコントロールミスのようだったが、ボールは内側のFWティエモコ・ディアラに渡る。 
 T ・ディアラは完全にフリー。日本DF西尾隆矢が対応する間もなく、左にかわして強烈な左足シュートを放つ。これを小久保が反応よく防いだのだ。
 小久保から見て、T・ディアラは右にボールを持ち出した。小久保は、それに対して素早く正確にゴール中央にポジションを取った。何よりも、T・ディアラがシュートを打つ瞬間には、両足をグラウンドにつけ、前傾姿勢を取りながらもリラックスした状態をつくっていた。小久保から見て左、確実にゴールの枠内に飛んできた低く強いシュートに、小久保の左手が自然に出た。

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