■最も安いゴール裏の「小中高券」で2900円

 Jリーグも、「最近、高くなって、家族を連れていくのがつらくなった」という声を聞く。シーズンチケットを持っているホームゲームはまだいい。しかし、アウェーの試合は数年前よりだいぶ値上がりしていて、家族で行くのは難しくなってきているという。

 現在、日本の各地で行われている欧州クラブとJリーグクラブの「プレシーズンマッチ」では、数万円の席が平気で売られている。プロモーターが設定した試合であれば、仕方がないかもしれない。しかし、Jリーグ自体が主催する「ワールドチャレンジ」で、メインスタンドの1階が5万8000円、4万8000円などという席が設定されているのは、どういうわけだろうか。最も安いゴール裏の「小中高券」で2900円(大人は4800円)もする。

 日本サッカー協会が主催するワールドカップ予選では、9月5日の中国戦で最上位の「カテゴリー1」は1万5400円、10月15日のオーストラリア戦は2万4000円である。サポーターが集結する北側のゴール裏スタンド(カテゴリー5)は、中国戦が2400~6200円、オーストラリア戦が3500~8800円となっている。

「~」がついているのは、「ダイナミックプライシング(価格変動制)」を意味しており、売れ行き状況などから価格が変わっていくというもので、近年はJリーグのクラブでも導入しているところがある。感覚としては「時価」というのに近い。

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