■「プンサンテ」に注意せよ

 攻撃ではバリエーション豊富に得点を重ねていきました。スペースと時間の使いかたも考えられていて、斉藤にしろ、三戸にしろ、佐藤にしろ、「まず仕掛ける」という姿勢を貫いている。彼らは結果を出さないと生き残れない世界に身を置いていて、仕掛けるという意識がさらに磨かれているのでしょう。

 守備では「奪い返す力」が目につきました。選手一人ひとりに、その姿勢が染みついている。失ったボールをすぐに奪い返してチャンスを作らせない姿勢は、チームとして積み重ねてきたものでしょう。

 グループステージ第2戦では、アフリカ勢のマリと対戦します。3月のテストマッチでは1対3で敗れていますが、結果はともかく相手の特徴に触れているのは前向きにとらえていいでしょう。

 そのうえで言うと、パラグアイよりもマリのほうがフィジカル的に力強い。パラグアイ戦の13分にやや危ないシーンがありましたが、スペイン語で「プンサンテ」と表現される「ゴールへ向かって突き刺すような動き」には注意してほしいですね。

 攻撃については、相手のプレスを回避するために、ショートパスだけでなくミドルパスやロングパスも織り交ぜる。各駅停車のパスは狙われやすいので、相手の出方を見ながら使っていくべきです。

 五輪やW杯で結果を残すチームは、大会を通して力をつけていきます。パラグアイ戦を踏まえて、チームの強みを生かしつつ、課題は塗り潰していく。バックアップメンバーも含めた22人全員が一丸となって、マリ戦でも勝利をつかんでほしいと思います。

(構成・戸塚啓)

(3)へ続く
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