ショックが大きかった「チーム柱」の退場

 不運もあった。後半20分過ぎに「右ウイングバック」としてプレーしていた清水梨紗が右ひざを痛めて退場。池田監督は高橋はなを投入し、古賀を右ウイングバックとした。しかし、清水といえば、どんな試合でもなでしこジャパンの右サイドに必ずいる選手であり、チームの柱のひとりである。その清水を失ったショックがなかったはずがない。スペインの勝ち越し点は、その流れの中で生まれた。
 勝ち越して点を奪われると、池田監督は宮澤を再び前線に上げて4バックに戻したが、余裕をもったスペインに効果的なプレスをかけられたわけではなく、試合はそのまま終了した。
 過密日程で行われるオリンピックのサッカー。

 過密日程で行われるオリンピックのサッカー。次のブラジル戦は3日後、しかもパリへの移動をはさんでの試合となる。修正のためのトレーニングの時間はない。次戦では、本来のプラン、すなわちこのスペイン戦の序盤に見せた前線からをプレスをかけるサッカーを徹底するしかない。
 ブラジルはフィジカルが強いナイジェリアに勝ったチーム。なでしこジャパンにとって正念場となる。

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