襲われる日本ゴール「脳裏をよぎるカタール戦」
しかし後半、まるでうららかな春の日が突然の風と雨で変わってしまうように、一転して日本ゴールが襲われる。立ち上がり早々に高井がボールを離すタイミングを失って奪われ、とっさにファウル。イエローカードを出される。これが、この試合で初めての「ミス」だった。
そこから押し込まれる時間が続く。パラグアイのCKやFKが連続したとき、日本選手の脳裏には、AFCアジアカップ準々決勝のカタール戦がよぎったはずだ。
オリンピック出場権獲得に絶対勝たなければならなかったカタール戦、前半の相手GKの退場で数的優位になった日本。しかし、後半は相手の気迫に押され、FKから勝ち越し点を奪われた。なんとか追いつき、延長戦で突き放すことができたが、危険極まりない試合だった。
前半の戦いには、その教訓が生きていたように見えた。しかし後半は、あわやその二の舞いになるところだった。パラグアイの攻勢をしのぐことができたのは、カタール戦を思い起こし、「絶対に失点しない」という強い気持ちを全員が共有していたからに違いない。