■準々決勝でスペインと当たらない「好条件」

 パリ・オリンピックの男子サッカーに前回優勝のブラジルやドイツなどがいないのと同じく、女子サッカーにはFIFAランキング3位のイングランドや4位のドイツ、そして、昨年のワールドカップ準々決勝で日本が完敗したスウェーデン(6位)などが出場していない。

 つまり、最新の女子ランキングで7位の日本はスペイン(1位)、フランス(2位)、アメリカ(5位)に次ぐ4番手に位置している。もちろん、ランキングはチームの実力を忠実に反映しているわけではないが、日本がメダルを狙える位置にいることは間違いない。

 何といっても注目は初戦。現地時間7月25日に行われるスペイン戦だ。開会式前日とあって、日本中のスポーツ・ファンが注目するはずの試合だ。

 相手はFIFAランキング1位でワールドカップ優勝国だ(男子もEUROで圧勝し、男女ともにスペインの時代を迎えようとしている)。

 だが、恐れることはない。昨年のワールドカップで日本はグループリーグでスペインと対戦し、組織的な守備でスペインを完封。カウンターから効率よく得点を重ねて4対0で勝利したのだ。

 さらに言えば、グループリーグでスペインと対戦するということは、準々決勝でスペインと当たることがないということでもある。「メダル獲得」を考えれば準々決勝は最も重要な試合となるのだから、これは願ってもない好条件と言える。

 観客動員数が低迷しているWEリーグの将来を考えても、オリンピックでの好成績(メダル獲得)が期待される日本女子代表(なでしこジャパン)。心から健闘を祈りたい。

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