埼玉スタジアム2002で3−4と敗れた札幌戦は今シーズンの浦和レッズの二面性を映しているかのようでもあった。立ち上がりは決して悪くはなかったし、マンツーマンの札幌に対して、4ー2ー1ー3から可変的にボールを動かしながらチャンスを作り続けた。
石原広教からのクロスに合わせた関根貴大のヘディングシュート、武田英寿のスルーパスに反応した松尾佑介の左からのシュート、そして松尾のラストパスを受けた渡邊凌磨の左足シュートなど。勝負の世界にタラレバは禁物とはいえ1つ決まっていれば、おそらく全く違った試合展開になっていたことも確かだろう。
浦和の攻撃になんとか耐えながら、徐々にリズムを掴んだ札幌は中盤の大崎玲央と馬場晴也を起点に反転攻勢に出ると、大崎のCKに岡村大八がヘッドで合わせるゴールで、前半37分にリードを奪う。そこから効果的な攻撃を繰り広げる札幌が、前半アディショナルタイムに鈴木武蔵がオフサイドラインのギリギリから抜け出す今シーズン初得点で、0−2とリードを広げた。ちょうどハーフタイムを迎えたところで、埼玉スタジアムは唐突な雷雨に襲われて、後半のキックオフが45分間後ろ倒しになった。