■アジア杯64%の試合が「1点差か引き分け」

 アジアからのエントリー数は2010年大会で43チームとなり、2018年大会以降は加盟全46チームとなった。「4.5枠」は、およそ10チームに1チームがワールドカップ出場ということになる。「ドーハの悲劇」となった1994年大会では、エントリー29チームに2枠、すなわちおよそ15チームに1チームの割合だった。そして、これから「最終予選」が始まる2026年大会は、46チームに割り当てられた出場枠は8.3333…。アジアのおよそ5.5チームに1チームがワールドカップの切符をつかめることになる。

 今年1月から2月にかけてカタールで開催されたAFCアジアカップには24チームが出場したが、グループリーグ全36試合で4点差がついた試合はわずか1試合に過ぎず、3点差も4試合。2点差が8試合で、実に64%にあたる23試合が1点差あるいは引き分けだった。僅差の試合が多かったということは、出場チームの格差が縮小してきたことを示している。

 出場権をつかむ確率が高くなったとは言っても全体のレベルが上がっているのだから、予断は許さない。最善の準備をして、死力を尽くしても、どんな結果でも起こりうるのがサッカーというゲームだ。だが同時に、最終的には力のあるものが上位を占める確率が高いのが、「リーグ戦」というシステムでもある。

 さて、今回の「アジア最終予選」のハードルは、高いか、低いか―。読者はどう考えるだろうか。

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