■日本が破れたイラクとの対戦は「完全アウェー」

 たとえば、1月のアジアカップで日本が敗れたイラクとの対戦ということになったら、不安な面も出てくる。

 すなわち、1980年代のイラン・イラク戦争や2003年のイラク戦争後の混乱の影響で、イラクは長い期間にわたってホームゲームを開催できなかった。だが、ようやく国内の治安状況が改善に向かい、イラク南部のバスラには近代的なスタジアムも完成。今回のワールドカップ予選からイラクはホームゲームをこのバスラのインターナショナル・スタジアムで開催している。

 いわゆる「完全アウェー」状態となること必至の試合だ。

 しかも、長くイラク・ホームの試合がなかったため、日本代表のスタッフはもちろん、日本サッカー協会関係者でもイラク現地の環境を知っている人はほとんどいないはずだ。現地情勢が改善されたといっても治安面の不安も残っているし(日本の外務省はバスラなどのイラク南部についてレベル3の「渡航中止勧告」を出している)、チームは万全の状態で臨めなかったかもしれない。

 その点で言えば、サウジアラビアは前回予選の他、各カテゴリーの大会やACLなどでも最近は遠征の機会が多く、現地の練習環境なども整備されている。

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