「責任は自分にある」
敗戦のショックに打ちひしがれるレゾナックドーム大分のロッカールームで、川崎フロンターレの鬼木達監督は選手にこう話したという。前回王者として挑んだ天皇杯の3回戦、J2大分トリニータ戦。1-3での敗退という結果は受け止め難いものだったが、それを一身に受け止めようとしたという。
試合後の記者会見の冒頭に設けられる「試合総括」において指揮官はまず、「チャンピオンを目指した中でこのような結果になってしまったこと、その全てが自分の責任だと思ってます。全てにおいてですね、選手というよりも自分の全ての判断、そこのところだと思ってます」と説明。地元テレビ局など多くのカメラが並ぶ試合後の記者会見室で、非難の矛先をあえて自らに向けようとしていた。
その後の筆者の質問に、鬼木監督は「本当に大事な大会を失ったのは自分の甘さ」とも表現して、さらに自身に矢印を向けた。地元メディアがドアを開け閉めするたびにピッチから侵入する熱気は、湿度のせいか重さも増していた。