■「勝ちへの執念の中でみんな一つになって戦っている」

 磐田目線で見れば、土壇場の同点弾はこぼれ球をゴールに押し込んだ山田大樹も然り、3人の攻撃意識があの場面を導いたことになる。

 一方で川崎としては、佐々木や小林の言葉に表れるようにそれを事故で片づけない強さも見せている。試合中においても、ベンチに下がった先発選手もピッチ横から必死に声を送るなど、勝利への気持ちはけっして弱まっていない。

「勝ちへの執念の中でみんな一つになって戦っている」

 磐田戦後、小林悠がこう語っているように、むしろ、伴わない結果に悔しさは募る。であれば、それを次戦にぶつけるしかない。暑さの中で続く連戦を、苦境の出口にしてみせる。

(取材・文/中地拓也)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5