■ヘグモ監督「前半は悪くなかった」

 序盤から主導権を握ったのは浦和。開始14分には武田英寿のシュートがGKソン・ボムグンに弾かれクロスバーを直撃。22分にも伊藤敦樹のミドルがGKに防がれるなど、惜しい形が続く。ペア・マティアス・ヘグモ監督も「前半は悪くなかった」とコメントしていたように、飲水タイムまでは湘南はチャンスらしいチャンスを作れなかった。

 だが、湘南はそこから息を吹き返し、前半32分に鋭いカウンターから田中聡が先制点を奪う。これには浦和も意表を突かれる形だったが、時間はまだまだある。選手たちもそこまで動じてはいなかった。

 0-1で迎えた後半。ヘグモ監督はエカニット・パンヤに代えて前田直輝を投入。さらに武田、ブライアン・リンセンとサミュエル・グスタフソン、チアゴ・サンタナを交代。攻撃のギアを一気に上げた。

 最初はグスタフソンがアンカー気味に位置し、伊藤敦樹が右少し前、安居海渡がトップ下に上がったが、伊藤敦樹と安居のダブルボランチが機能していただけに、3人のバランスがやや難しいようにも見受けられた。

 それでも直後の17分、グスタフソンが起点となり、安居から渡邊にボールが渡り、ラストパスがゴール前に通った。そこに走り込んだのがチアゴ・サンタナ。彼は空いたスペースを見逃さず、左足を一閃。値千金の同点弾を叩き出した。

 そして12分後には、渡邊がハーフウェーライン左側でボールを奪い、そのまま持ち込んでスルーパスを供給。反応したチアゴ・サンタナがGKとの1対1を確実に沈め、瞬く間に逆転に成功。駒場スタジアムの盛り上がりは最高潮に達した。

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