83分の名古屋クロス「空いた裏のスペース」のケア

 右のタッチラインで名古屋の選手がボールをもったときに、浦和の選手3人は横並びになっている。
ここではまず、浦和の大畑歩夢が縦を切る守備をしないといけない。なぜなら、名古屋の2人の選手は裏のスペースを狙っているので、縦を切って中にボールを出させるようにしないといけないのだ。
 さらに、安居海渡と岩尾憲(67分IN)が同じタイミングで右足に体重をかけて、名古屋の2人の選手にプレッシャーに行こうとする。
 タッチライン近くてボールがいったん止まったときに、安居か岩尾のどちらかが空いている裏のスペースをケアしなければいけなかった。だが、名古屋の選手が裏に抜け出してから後追いしている。また、後追いするならば、最後まできちんとついていかなければならない。
 今季の岩尾のプレーには迷いがある。なかなかフィットしていない。この場面でカバーに行けたのが岩尾なのは、明らかなことだ。なぜ、ポジションを離れても人についていかなったのか不思議に思う。
 アレクサンダー・ショルツ(アルワクラ=カタール)も酒井宏樹(オークランドFC=ニュージーランド)も岩尾(J2徳島)も浦和から別のチームに移っていく。世代交代と言っていい流れだ。
 正直に言って、彼らのチームへの貢献度は高いものがあるが、じゃあ、チームにとって伸び代があるのかどうかと考えたときに、その答えに「イエス」とは言えない。ベテランに求められるものは、得点差と時間経過を考慮したプレーである。厳しい意見かもしれないが、中途半端なプレーが目についてしまっている。したがって、致し方ない現実なのだろう。

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